トヨタの新型「ランドクルーザー250シリーズ」は、かなり快適になった! GQエディターが詳報を綴る。
街乗り期待大!
4月18日、新型ランドクルーザー250シリーズの国内販売がスタートした。直後におこなわれたオフロード試乗会では、ほんのわずかではあるものの敷地内の舗装路でクルマを動かせたので印象を報告したい。
ひとことで言うと、新型ランドクルーザー250シリーズはとにかく扱いやすかった。とくに低速域の取りまわし性能が格段に高まったのだ。とりわけ車庫入れは抜群にしやすくなった。
従来のランドクルーザー・プラドは油圧式のパワーステアリングを採用。これに対し新型250シリーズは電動式となったため、スムーズかつ緻密な制御が可能となったのである。時折、友人が所有するランドクルーザー・プラドのステアリングを握ることがあって、低速域は「よっこらっしょ」と、それなりに力を入れる場面もあるが、新型250シリーズでは皆無。“スルスル”とステアリングがスムーズにまわる上に、正確だから駐車が楽チンだったのである。
パノラミックビューモニターの精度が向上したことで、より見やすく、そしてわかりやすくなったのもありがたい。ちなみにクリアな視界を保つため、バックカメラには洗浄機能が付いているというからオフロード走行時は便利だ。
室内は静粛性が向上した。試乗車はディーゼルエンジン搭載モデルだったが、音・振動ともによく抑えられていた。外でエンジン音を聴けば、ディーゼルであることは主張するけれど、室内にいる限り不快な思いはしない。
快適装備がたっぷり付いたのも見逃せない。特に最上級モデルのZXは12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイやデジタルインナーミラー(防眩モード付)、ステアリングヒーター、ナノイーX、チルト&スライド電動ムーンルーフ、イルミネーテッドエントリーシステムなど至れり尽くせり。
個人的に「いいなぁ」と、思ったのはJBLプレミアムサウンドシステム(14スピーカー/12chオーディオアンプ)。「ランドクルーザーの室内空間に合わせて、精緻な音質チューニングを施した」との触れ込み通りで、臨場感あふれる音楽を楽しめた。静粛性が高まったのも、いい音楽を楽しむのにはベター。普段の街乗りが楽しくなりそうだ。
舗装路を走る限り、乗り心地はまずまず。ラダーフレームをつかった本格的なオフローダーでありながら、トヨタ「ハリアー」といった都市型SUVと遜色ない、しなやかさが印象的だった。高速道路やワインディングに持ち込むとまた違った面をみせるかもしれないが、少なくとも一般的な舗装路では前後のサスペンションが良い仕事をする。それはリヤシートでも同印象。これで、オフロードではタフな走りを披露してくれるのだから、その万能ぶりに驚くばかりだ。
GXならではの世界試乗会では、これまでメディアに披露された上級モデル以外に、エントリーモデルの「GX」が展示されていた。
価格は520万円で、最上級のZXより215万円も安い。ただし、エクステリアからはルーフレールの有無以外、大きな差はない。従来のプラドと異なり、グレード名をあらわすバッヂもなかった。
ドアを開けるとファブリックシートが目をひく。ほかの2グレードがレザーとなるのに対し、GXのみがファブリックだ。もしファブリックを望むならGXを選ぶしかないのだ。シート調整は運転席・助手席ともに手動である。定員は、ほかのグレードが3列シート・7人となるのに対し2列シート・5人。サードシートがない分、荷室は拡いから、荷物をたっぷり積み込んで、“道具”として使うには最適だ。
運転席に座ると、ステアリング表皮が本革ではなくウレタンであることに気づいた。メーターも7.0インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイで、ディスプレイオーディオのサイズも8インチと小ぶり。ほかに気になったのはバックドアガラスハッチが備わらない点だろう。
とはいえ、パノラミックビューモニターやスマートエントリー(運転席・助手席・バックドア)&スタートシステム、左右独立温度コントロールフルオートエアコンといったひととおりの快適装備は備わるし、運転支援システム「Toyota Safety Sense」も搭載するから機能面での不満はあまりない。
ディーラーローン必須は転売対策話は少し戻るが、冒頭に出てきたランドクルーザー・プラドに乗る友人は、運良く新型250シリーズを購入できた。
訊くと、担当者が購入枠を用意してくれていたという。ただし、長年その店舗で新車を購入していたわけではないし、何台も新車を購入したわけでもない。なんなら、今乗っているプラドは他店舗で購入した個体だ。トヨタの関係者によると、地域やディーラーによって商談状況はかなり異なるという。
購入したグレードはVXのディーゼル。ほかに選択肢はなかったそうで、このグレードを買う・買わないの2択だった。購入時の条件は2点で、ボディコーティングのディーラーオプションを付けることと。そして購入店でのオートローン利用だ。
後者は転売防止の観点からだそうで、1年間は所有権解除に応じない。なるほど、現行ランドクルーザー300発売時に転売が大問題となったゆえだろう。ちなみに金利は4.8%近いというから、なかなかの設定だ。
驚いたのは、現在乗っているランドクルーザー・プラドの下取りを保証する点。納期が判然としないための策で、納車されるまではいくら走行距離が伸びでも契約時の下取り額を保証するそうだ。
友人が購入した新型250シリーズのVXは、「トヨタチームメイト」などを含む運転支援形のパッケージオプションとディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus&JBLプレミアムサウンドシステムを追加した結果、総額約700万円になったという。
一方、下取りに出した先代のプラドは、約3年で6万5000km近く乗ったのにも関わらず360万円の下取り額がついたそうだ。ランドクルーザーシリーズのリセールバリュー、さすがである。
新型ランドクルーザー250シリーズは、購入できない人が大多数。この熱気、まだまだ続きそうだ。
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
受注品はさばけていませんよね?
どうするんですか?
誠意が感じられませんね。
価格520万円、ディーゼル、8速オートマ、ファブリックシート、18インチタイヤ。
150プラドディーゼル中古車の高年式は600万円以上追い金無しで乗り換え出来そう!!!